「あはははーっ!ほっんとにミウは馬鹿だっっ」
授業が終わってからは、まなかにこれでもかってぐらいに笑われた。
「れいくんに手、振ってたの?」
そう言って、まだ笑いがおさまらないまなかは、涙をぬぐいながら私に聞いてくる。
「うん。」
私はうなずきながらそう言った。
「いいよねー。兄弟仲良くって!!!うちなんか毎日喧嘩ばっか。」
そう言いながらまなかがげんなりしたように椅子に顔を伏せる。
「うらやましー!!!れいくんイケメンだしっ。ミウはなんでこうも似なかったんだろうねー」
そう言って、又ケラケラと笑いだすまなか。
「それ、言いすぎだから。」
私は笑えない冗談に苦笑いを返す。
「嘘うそ。ミウは自分が思ってるより可愛いよ?そういえば、この前も男子に可愛いって言われてたもん!」
マナカは誇らしげに私に報告してくれる。
その時、
「あっ」
マナカが教室の中から廊下を見て声を出した。
「れいくん、きてるよ」
私はその声と共に廊下に目を向ける。
れいちゃんは私と目が合うと、手で私を招いた。
私はマナカに、「ちょっと行ってくるね」
そう一言告げ、れいちゃんの所に向かった。
私はれいちゃんの前にいくと、
「用事?」
そう聞いた。
するとれいちゃんは、
「鍵、返して」
そう言って、手を出してきた。
「鍵?」
私はなんのことかわからず、れいちゃんに聞き返す。
「だから、ちゃりのかーぎ」
「あっ、そかそか。今日れいちゃんに借りたんだった。」