「バカな……! どっから撃ちやがった?!」
俺はすぐさまウィリスが撃たれた場所と角度を頭に入れ、周囲を見渡す。
ウィリスは自身の左側に吹っ飛ぶように倒れた。俺達から見れば奥。てことは発射されたポイントは――
「あたしらの後ろ?! マジ?!」
あかりの言う通りだ。狙撃ポイントは俺達の後ろ。ちょうど俺とあかりと、俺らの後ろに停車していたディルクの間を抜けるように弾丸が飛んできたことになる。
しかし俺達の後ろにあるのは……
「セントラルパークだけだよ?! ありえんてぃーだって!」
そう。普通じゃありえねえ。なんせセントラルパークの中は、ちょっとした森だ。樹木と芝生しかねえ。
さっきのウィリスの撃たれ方を見る限り、弾道は限りなく水平に近かった。もしパークの中から狙撃したとなれば、この真っ暗な闇の中、生い茂る木々の間を抜け、前方に立っていた俺らも避け、さらには停まっていた車や護衛の連中にも当てず、ウィリスの頭だけを撃ち抜いたことになる。
「それをこなすのがやつだ!」
言ってディルクはBMWを急発進させ、セントラルパークの中へ突っ込む。
「くそっ!
あかり! お前はここにいろ! ライフル相手にカタナじゃ分が悪い!」
「わ、わかった……!」
あかりを降ろし、俺もディルクの後を追う。もちろんパークの中は車やバイクの乗り入れ禁止だが、今はそんなこと言ってる場合じゃねえ。
スナイパーってのは、獲物を仕留めるとたいがいすぐにその場を離れちまう。ディルクはスロットル全開で、パークを奥へと突っ走る。俺も必死に後を追うが、ディルクのF800GSと違ってオンロードタイプのCBR1000RRで、この舗装されてない公園の敷地をハイスピードで走るのはかなり危険だ。
神経ぶっちぎれそうなくらい極限まで集中してバイクを操作し、ディルクの背中を見失わないようにする。
どこから撃ってきたのか俺にはぼんやりとしかわからないが、ディルクには見当がついてるようだ。同じスナイパー同士、そういうのはわかるもんなんだろう。
それにしても、かなり奥まで入ってきた。もうホテルも、ましてやその前に立つ人間なんか、全く視認することはできねえ。
やがて小さな茂みの中。でかい樹が何本か立っている場所にきたとこで、ディルクはバイクを停めた。俺もすぐ横で停まる。
「ここなのか?」
俺はすぐさまウィリスが撃たれた場所と角度を頭に入れ、周囲を見渡す。
ウィリスは自身の左側に吹っ飛ぶように倒れた。俺達から見れば奥。てことは発射されたポイントは――
「あたしらの後ろ?! マジ?!」
あかりの言う通りだ。狙撃ポイントは俺達の後ろ。ちょうど俺とあかりと、俺らの後ろに停車していたディルクの間を抜けるように弾丸が飛んできたことになる。
しかし俺達の後ろにあるのは……
「セントラルパークだけだよ?! ありえんてぃーだって!」
そう。普通じゃありえねえ。なんせセントラルパークの中は、ちょっとした森だ。樹木と芝生しかねえ。
さっきのウィリスの撃たれ方を見る限り、弾道は限りなく水平に近かった。もしパークの中から狙撃したとなれば、この真っ暗な闇の中、生い茂る木々の間を抜け、前方に立っていた俺らも避け、さらには停まっていた車や護衛の連中にも当てず、ウィリスの頭だけを撃ち抜いたことになる。
「それをこなすのがやつだ!」
言ってディルクはBMWを急発進させ、セントラルパークの中へ突っ込む。
「くそっ!
あかり! お前はここにいろ! ライフル相手にカタナじゃ分が悪い!」
「わ、わかった……!」
あかりを降ろし、俺もディルクの後を追う。もちろんパークの中は車やバイクの乗り入れ禁止だが、今はそんなこと言ってる場合じゃねえ。
スナイパーってのは、獲物を仕留めるとたいがいすぐにその場を離れちまう。ディルクはスロットル全開で、パークを奥へと突っ走る。俺も必死に後を追うが、ディルクのF800GSと違ってオンロードタイプのCBR1000RRで、この舗装されてない公園の敷地をハイスピードで走るのはかなり危険だ。
神経ぶっちぎれそうなくらい極限まで集中してバイクを操作し、ディルクの背中を見失わないようにする。
どこから撃ってきたのか俺にはぼんやりとしかわからないが、ディルクには見当がついてるようだ。同じスナイパー同士、そういうのはわかるもんなんだろう。
それにしても、かなり奥まで入ってきた。もうホテルも、ましてやその前に立つ人間なんか、全く視認することはできねえ。
やがて小さな茂みの中。でかい樹が何本か立っている場所にきたとこで、ディルクはバイクを停めた。俺もすぐ横で停まる。
「ここなのか?」


