「てめーわ黙ってろ!
あー、ったく!」
頭をくしゃくしゃとかいてミントを2粒口に放り込み、がりがり噛む。
「そういやあんたら、ネストから出てきてたな。誰の情報集めに行ったんだ?」
「王 黒星ってスナイパーだ。どこ漁っても何も出てこねえ。どうせお前も知らねえだろ?」
「“シルバー・バレット”か? 知ってるぞ」
「やっぱな――って、ええ?!」
驚いて、マックスの顔を見る。ディルクとあかりも目を丸くしている。
「な、なんだよ。そんな驚くようなことか?」
「いや、だって……」
「あんたみたいな街のチンピラA的なおやぢが……」
「そんな大きなソースを握っているとは、にわかには信じられん」
「ひでえ言われようだな……」
若干傷ついたようだ。見た目以上にでりけえとなのかもしれねえ。
「まあ、あれだ。あんたらの役に立つかどうかはわからんが、いくらかのソースならあるぜ。
前回は邪魔しちまって、今回は手助けしてもらったしな。それに俺はあんたらのチームを尊敬してる。ソースくらいくれてやるよ」
「おいおい良いのかよ? ソースはBHの命だろ?」
「構わねえよ。どうせあんな大物、俺の手にゃ負えねえ。あんたらくらいのレベルじゃなきゃな。
ラングレー時代の同僚の話によると――」
『待て待て待て待て待て!』
3人で一斉に話を止める。
「なんだよ? 話が進まねえじゃねえか」
「いやいやいや、そんなことよりも……」
「あんたが元CIA?! その見た目で?! マジありえんてぃーなんですけど!」
「ホントひでえなあんたら。
俺がこんなカッコになったのは、BHになってからだ。CIAの頃はもっと痩せてたし、もっと小奇麗な服も着てたわ。
それにCIAのアンダーカバーの中には、あえてきたねえカッコしてるやつもいるぜ」
むくれて口とがらせるなよ。可愛くねえから。
「でだ。俺は国家秘密局にいたんだが、情報局の元同僚によると、やっこさんは今度の国連でアメリカが行う、某決議案の提出を邪魔しに来たみたいだぜ」
なるほど。だからニューヨークなのか。