ばうんてぃ☆はうんど・vol.2~鷹の目の向こうに《改訂版》

名前通りの外見だ。軽く6.5フィートはありそうな身長に、体重は200ポンドを超えているだろう。頭はスキンヘッドで、左耳にピアス。ひげ面にグラサン。真夏だというのに黒の革パン、袖を引きちぎった感じの黒の革ジャン、インナーはドクロのTシャツ。それでバイクはハーレーだ。
ハリウッドのB級アクション映画に出てくるゴロツキその1か、もしくはターミネー○ーみたいな風貌だ。ただし、○ーミネーターに服を奪われる役だが。
相手が名乗ったので、
「えー……っと、俺の名前は知ってたよな。こっちは相棒のディルクだ」
「よろしく」
ディルクが手を差し出す。と、
「ディルク?! ディルクってあの、ディルク・フューラーか?! “ホーク・アイ”の!?」
「あ、ああ。そうだが……」
「マジかよ?! 感激だぜ! 一度に二人も伝説の男に会えるなんてな!」
ディルクの手を両手で握って、上下にぶんぶん振りまくる。ディルクがちょっと引いているのがわかった。
「あ……んで、こっちが居候のあかりだ」
「居候ぢゃないって何度も言ってんのに。ガチでムカつく」
マックスがあかりの方を振り向いた瞬間、
「も……萌え!!」
『へ……?』
目をくわっと見開いたかと思うと、マックスは変な雄叫びをあげた。
「す、ス○ラ……!」
「い、いや、あたしはあかり……」
「○テラ……。俺のステ○がここに!」
『ええええ?!』
突然テンションマックスで、あかりに抱きつく。
「きゃー! ち、ちょっと! 放して……てか、ちょー汗臭い! マジキモすぎ!」
「ス○ラ! 逢いたかった!」
「放せって言ってんのに、おい!」
「はらっ!!」
忠吉の柄尻で、思いっきりマックスのみぞおちを突く。マックスは腹を押さえて、あかりから離れた。
「うぐ……す、すまない……つい我を忘れて……」
忘れすぎだろおい。とディルクのつぶやきが聞こえたが、あえてそこは流しておいた。
「そうだよな。こんなところに俺のステ○がいるわけないもんな。彼女は今も、冷たい湖の底に……」
「マジドン引き……。そりゃ連合の軍服着てるけどさ」
なんだかよくわからんが、あかりのコスプレと同じアニメキャラを、ずいぶんと愛しちまってるらしい。
こいつもアニメヲタクか。この外見で……