ハーレーに乗った男が追い付いてきた。
よく見ると大柄な男だ。やや体脂肪が多そうだが、その分筋肉も多そう。レスラーのような体形だ。
男はバイクから降りながら、
「こいつは俺の獲物だったんだ。もう少しってとこで、逃げられちまってな。
ああ、言い忘れてたな。俺はBHなんだが……って、あれ?」
フルフェイスのメットごしに、俺の顔をまじまじと見る。
「な、なんだよ……」
ちょっと気持ち悪くなって、一歩後ろに下がる。
「いやー、奇遇だな! こんなところで会えるなんて。同業者だから、いつかどっかで会えるかもとは思ってたけどよ!」
なんか一人で盛り上がってやがる。
「なんだよ。誰なんだよ、お前は」
「あ、そっか。悪い悪い。こんなもんかぶってたらわかるわけねえよな」
男はメットを脱ぐ。するとそこから出てきた顔は――
「あ、お前……」
「おお、覚えててくれたか。いやー、この前は悪かったな、邪魔しちまって」
以前バルセロナの酒場で邪魔してくれた、ひげ面の大男だった。
とりあえず捕まえた賞金首をICPOニューヨーク支部に突き出し、賞金に換えた。
容疑は国際銀行強盗だったようで、賞金額は5万ドルだった。
「少ねえが取っといてくれ」
大男は俺に5,000ドル差し出してきた。キャッシュで。
「……何だよこれ?」
「あ、足りなかったか? いやー、けど俺も生活あるんでな。これ以上はちょっと……」
「いやそうじゃなくて、金なんていらねえよって意味なんだが」
「ええ?! いやいやいや、そうはいかねえよ。あんたらがいなきゃ、捕まえられなかったんだからな」
言って俺の手の中に、強引に5,000ドルを押しこんだ。
強面の外見には似つかわしくない、義理がたいやつのようだ。
ただこんなデカい額のキャッシュなんか、持ち歩きたくねえんだが……
「ま、こんなとこじゃなんだ。とりあえず外へ出ようぜ」
うながされるまま、俺達は外へ出た。
歩きながら大男は、
「そういや、まだ名前も名乗ってなかったな。俺はマックスだ。ラストネームは捨てた。よろしくな」
手を差し出されるまま、握手する。
よく見ると大柄な男だ。やや体脂肪が多そうだが、その分筋肉も多そう。レスラーのような体形だ。
男はバイクから降りながら、
「こいつは俺の獲物だったんだ。もう少しってとこで、逃げられちまってな。
ああ、言い忘れてたな。俺はBHなんだが……って、あれ?」
フルフェイスのメットごしに、俺の顔をまじまじと見る。
「な、なんだよ……」
ちょっと気持ち悪くなって、一歩後ろに下がる。
「いやー、奇遇だな! こんなところで会えるなんて。同業者だから、いつかどっかで会えるかもとは思ってたけどよ!」
なんか一人で盛り上がってやがる。
「なんだよ。誰なんだよ、お前は」
「あ、そっか。悪い悪い。こんなもんかぶってたらわかるわけねえよな」
男はメットを脱ぐ。するとそこから出てきた顔は――
「あ、お前……」
「おお、覚えててくれたか。いやー、この前は悪かったな、邪魔しちまって」
以前バルセロナの酒場で邪魔してくれた、ひげ面の大男だった。
とりあえず捕まえた賞金首をICPOニューヨーク支部に突き出し、賞金に換えた。
容疑は国際銀行強盗だったようで、賞金額は5万ドルだった。
「少ねえが取っといてくれ」
大男は俺に5,000ドル差し出してきた。キャッシュで。
「……何だよこれ?」
「あ、足りなかったか? いやー、けど俺も生活あるんでな。これ以上はちょっと……」
「いやそうじゃなくて、金なんていらねえよって意味なんだが」
「ええ?! いやいやいや、そうはいかねえよ。あんたらがいなきゃ、捕まえられなかったんだからな」
言って俺の手の中に、強引に5,000ドルを押しこんだ。
強面の外見には似つかわしくない、義理がたいやつのようだ。
ただこんなデカい額のキャッシュなんか、持ち歩きたくねえんだが……
「ま、こんなとこじゃなんだ。とりあえず外へ出ようぜ」
うながされるまま、俺達は外へ出た。
歩きながら大男は、
「そういや、まだ名前も名乗ってなかったな。俺はマックスだ。ラストネームは捨てた。よろしくな」
手を差し出されるまま、握手する。


