「おう。
知らない間に名前って
広がってるんだよなぁ」
「そ、そっか…」
なんか不良の世界は
よく分からなかった。
私も自分から片足を
突っ込んでるようなもんだけど。
「それに俺、
昔から柔道やってたしな」
「へ?」
「だから俺、
柔道一家の息子なんだよ」
「ええぇぇぇ~~!!!!!」
大声で叫ぶしかなかった。
耳を疑うしかなかった。
だからなんだ。
ケンカを売られても
負けないのは。
強いってことは
もちろん黒帯だろう。
「そんなにも
驚く事じゃねぇよ」
ぶっきらぼうに囁く彼。
でもまた意外なところを
知って嬉しいよ。