「あ、あのさ…」
「ん?」
ここまで聞いたら
心の底では理解している。
でも、それでも、
気になることは気になるんだ。
「毎日つくる生傷は何?
どこでケガしてるの?」
前のめりになりながら
聞く体勢に入った。
「毎日勝手にケンカを
売られるんだよ!!」
「へ?」
「だからこの風貌だから
余計に目をつけられるし」
…確かに。そうだね。
「一度でも勝ったら
勝手にアイツが強いって
言われるんだよ!!」
「そ、そっか」
すごく安心した。
花井君の口からちゃんと
真実が分かって嬉しかった。
「あのさ、噂の時に
どんな名前で呼ばれてたの?」
「あぁ。『鋼龍』」
「…こうりゅう?」

