ついにこの日が 訪れてしまった。 今日は終業式。 今日が図書室とも お別れの日。 終業式の次の日には 取り壊されると 沙菜さんから聞いた。 終業式が終わると、 私は駆け出した。 最後ぐらい全てを 目に焼き付けたくて 全力疾走する。 「着いた…」 やっぱり慣れない走りは キツかった。 でもそんなこと言えない。 私は呼吸を整える。 そしてゆっくりと 重い扉を開ける。 ミシミシという、 この古臭い感じが懐かしい。