彼は何かを
言おうしていた。



それすら気付かず、
大声で叫んでいた。




「大好き!」




自分で言っておきながら、
恥ずかしくなった。



身体中が
熱くて死にそうだ。



確かめるように
彼の顔を見る。



彼は呆気にとられて
固まっていた。




「えっと…」


「…今さらなんだよ」


「え?」


「俺は蓮実に好きな奴が
出来たと思ってた」


「それは違って…!!」


「分かってるよ。
でもさ、俺って
本当に彼氏だったのか?」


「そうだよ」


「じゃあ、どうして俺達が
付き合ってることは
言うなって言ったんだよ!」