私はそれを拾う。



その白い紙は
私宛てだった。



そこに書かれている
事実に私は驚愕した。




『あの事件について
私は知っています。』


「え?」


『あなたに
話したいと思っています。
明日の放課後、
裏庭に来て下さい。』


「嘘…」




差出人の名前が
書いていないか裏面も見る。



名前はない。



けれど
もう一つ書いてあった。




『良かったら、タオルと
折り畳み傘使って下さい』




私は不思議な組み合わせの
タオルと折り畳み傘を見つめた。




「ありがとう」




静かに呟き、大事に
使わせてもらうことにした。



そして教室に向けて
廊下を走り去るのだった。