もう一度、大きな声で叫ぶ。
私に気付いたのか、
視線が交差した。
もう一度、
呼ぼうとした瞬間だった。
後ろから誰かに捕まる。
握っていた龍慈君の手からも
引き離される。
「いやッ!!」
自分が誰かに
捕まったのだと悟った。
力強くて身動きがとれない。
「はな…して…」
私は息切れ切れに訴えかける。
押さえつける腕は
しっかりとしていた。
そして逃げ出さないように
腰に太い腕が回された。
見なくても分かる。
大柄の男の人だ。
龍慈君の顔が
険しくなっていく。
晴樹君の顔も真っ青で、
血の気がなかった。
ああ、そっか。
私、とんでもないことを
してしまったんだ。
やっぱりお荷物だった。
声にならない声で、
『蓮実』と
晴樹君の口が動いていた。

