蓮実は信じられる人だって事は
一番私が分かってる。



あんたに言われなくても
分かってる。




でも、どうしたらいいか
分からない。




最近の蓮実は
どこか変わった。



明るくて、楽しそうだ。



でも今までと何もかも
変わってしまいそうで
本当は怖かった。



関係が崩れることを恐れた。




「頼むよ」




その人はただ
それだけ言って歩き始めた。




「どこに…」


「晴樹のところ」




彼もまっすぐに歩き始める。



砂煙が舞う
グラウンドに向けて。