窓に見えていたのは 晴樹君だった。 「晴樹君が見える…」 「だろ?」 「う、うん」 見えたというよりも 映っていたモノだった。 カウンター席に 座っている彼。 彼はいつもここから 私を見ていたんだね。 窓に映る彼が 手を振っていた。 私は窓に向かって 振り返した。 『幸せ』って こういうことを言うのかな。 2人だったら それは倍増するのかな。 雲1つない寒空。 キレイな満月が 顔を出している。 この日、 2人は両想いになった。