待つこと約10分。 ──ガラッ 静かな図書室のドアが 開けられた。 私はドア付近に 急いで向かう。 (来てくれた!! きっと晴樹君だ!!) そこに立っていたのは 晴樹君とは違った。 「蓮実、 どうかした?」 「………」 「な、何!? 急にどうかした? どっか痛い!?」 ぼろぼろぼろぼろ 溢れ流れる涙。 「え、え、え~と…」 「ひっく、ひっく…」 嗚咽は止まらない。 でも悲しさの百万倍 胸がチクチクしていた。 「私、誰か先生 呼んでこようか?」 「ううん。ごめんね。 大丈夫だからさ…」