ドレスも足元も腕も見えない。





怪我してるところは全然見えない。





「先生〜、一応学校なんだけど?」


「バレちゃうよ〜。」


「ああ、小野寺大丈夫か?」





一度も俺を見ようとしない。





そっぽを向いて座ってる。





口を開くつもりもないらしい。





「先生、エクステ付けたから大丈夫だよ。」


「あ、ああ。」





フォローするかのように、西園寺が言った。





「小野寺、ごめん。訳も聞かず一方的に怒鳴ってごめん。」





頭が上げられない。





暫く経っても梨珠は何も言わない。





やっぱり、許してくれないのか?





「先生、3人で最後の練習したいから外して貰える?」





西園寺に言われ、控室を後にした。





「先生方、すいません。」




裏で仕事をしてる先生達に頭を下げた。





「大丈夫だよ、小野寺先生はこっちを手伝ってくれ。」





ステージの端で生徒を誘導する事になった。