昨日はいろんな気持ちが入り混じり、なかなか眠れなかった。


遅くなるとメールをしたのに、起きて待っていた母。

女手1つで私と弟のタケルを育ててくれた母に、これから少しでも恩返ししないと…



隆介のおかげかな。


隆介の話を聞いていて、お母さんの笑顔が浮かんだんだ。


私はお父さんが死んじゃった後も、たくさんの愛に包まれて幸せだった。


それは、悲しみを乗り越えて…いつも笑顔で私に接してくれたお母さんのおかげ。



「お母さん、いつもありがとう!私、好きな人できたんだ!」


それだけ言うと、私は自分の部屋へ入った。


お母さんと恋の話をするのが夢だった。


お母さんは、彼氏ができるたびに・・・家に連れてきなさいって言ってくれてたんだ。



きっと、お父さんの分まで自分がしっかりどんな男かチェックしたいんだろうな。



なかなか眠れないから、ゆかりに電話した。

隆介とのトマト事件の話を聞いて、ゆかりは興奮しすぎて大変だった。



昨日の寝不足のせいで、バスに乗り遅れた。


「駅まで送るから早くしなさい!」


お母さんに車で駅まで送ってもらう間に、お母さんが言った。


「どんな人?」


私は、どう表現していいかわからない隆介を思い浮かべてこう言った。


「お父さんに似てる人。」



お母さんの目が少し潤んだように感じた。