懐かしい道を歩く2人は、後ろから見ていると

昔に戻っているようだった。



キョロキョロと辺りを見回しながら、落ちつかない様子で

おばあちゃんの門の前で待つ。



私の知らない過去。


私の知らない隆介を知ってる悠亜さん…




やきもちとはまた違う、変な気持ち。


初恋の人に会った隆介は

今、どんな気持ち?



悠亜さんは

かっこよくなった隆介をどう思ってるんだろう…





「美亜、悪かったな…ありがと。」


隆介が、遠慮がちに後ろに下がっている私の手を引っ張った。





きゅん。



やっぱり


大好き。





ちょっと不安になる私を


そっと気遣うあんたが


最高に好きだよ。




しっかりと握られた手は少し緊張していた。




「ばあちゃん!!」


隆介の声は、いつもより高く…

きっと昔に戻っていた。



おばあちゃんの顔を見て、涙ぐむ悠亜さんも

少女のようなキラキラした顔をしていた。