定食屋さんから聞こえる賑やかな笑い声と、懐かしい匂い。 古びたのれんが風に揺れる。 誰かに抱きしめてもらいたい。 大丈夫…ってぎゅっと抱きしめてよ。 期待するのはもう疲れた。 私は携帯電話の電源を切る。 …突然消えた私に、何の連絡もくれなかった時の悲しみに耐えられないから。 今、私が求めてる腕は 悔しいけど…隆介なんだ。 初めてバイクに乗ったときのあんたの背中… すごく安心したんだ。 エッチしたわけじゃないけど、 『肌が合う』っていうのかな。 私が求めてる肌のぬくもりだったんだ。