電車の窓から外の景色を眺める。 見覚えのある景色を……… 正直に言うべきか、黙ってるか… 隆介が行きたい場所。 それは、隆介が育った場所。 やっぱり隆介はお母さんのことを考えていた。 「一人じゃ勇気出ないから。」 そう言って隆介は二人分の切符を買った。 電車の中では、何も話さなかった。 ただ、手を繋いだまま座ってた。 隆介の大きな手に包まれた私の手。 話さなくても伝わってくる隆介の気持ち。 不安と期待。