「何食う?」


「なんでもいい。隆介は?」


隆介はニヤリと笑ってこう言った。


「美亜が食べたい。」


……



冗談なのか本気なのか、その後…隆介は無口になった。

私も恥ずかしくて下を向いて歩いた。


「あ~!お前の好きそうなオムライス!ここにしよ~ぜ!」


もちろん注文したのは…

『トマトのオムライス』


最初に隆介に出逢った日に食べたオムライス。

隆介は覚えてないかも知れないけど…



「お前と初めて会った日、トマトのオムライス食ったよな!」


隆介は運ばれてきたオムライスのソースをライスに絡ませながらそう言った。


私は、涙が溢れてきて…止めることができなかった。


私の涙にも気付かずにオムライスを頬張る隆介を見てると、すぐに笑顔に戻る。


「ん?泣くほどうまいの?」


さり気なくスプーンを伸ばし、私のオムライスを食べる。


そして…


添えてあるプチトマトを…



半分かじって…




「ほら!食えよ。俺の愛のかたまり~!」




パク…



美味しい。


隆介…


大好き。