その時、後ろから聞き覚えのある声がした。 「アイミ!」 アイミは涙をさっと拭いて、いつもの笑顔になった。 ……でも、あたしには、心配かけないように無理してるのが 手に取るように分かった。 「先輩、偶然だね。どしたの?」 「いや、今から帰るとこなんだけどお前が見えたから。」 「え?まだ午後の授業あるよ?」 「サボリ。今メールしようと思ってたんだ。わりぃ、今日は先帰るな。」 「そっか、分かった。気をつけてね。」 アイミの顔がどんどん曇る。 必死の笑顔が、苦しくなる。 .