世間のしがらみから解放された俺が、唯一手に入れたのは《孤独》と言う柵。 その柵の中で、老婆と生きる。 「これは何の薬?」 毎日飲むそれに、疑問符を毎回投げ掛ける。 「昨日も飲んだだろ? トイレが良くなる薬だよ」 後僅しか残りの無い薬を見ながら答える。 これが無くなれば。 もう病院にも連れて行けない。