それでも。 僅かに俺の願いは通じたのか。 まるで記憶を落とすように、そのままソファーで眠りに落ちた。 揺りかごの歌を カナリアが唄うよ ねんねこ ねんねこ ねんねこよ どこからか聞こえる微かな歌声。 皺枯れた声の。 冷たい指先が、俺の頭を撫でる。 とてつもない優しさで。 酷く懐かしい。