秘密な花嫁~旦那様は同い年~

その笑顔に導かれるように手を取り、一柳さんと一緒に病室のドアを開けた。


そこには、私が初めて病室を訪ねたときと変わらない風景があった。


「マー君」


一柳さんの手を離し、急いで愛人の傍に寄る。


点滴をされ、まだ青白い顔で酸素マスクをつけていたけど、それでも落ち着いて眠っているようで、私はホッと息をついた。


また少し、痩せたかもしれない。


「温かい」


手を取ると、愛人の温かい体温が感じられた。


そっと手を下ろして、今度は心臓に手を当てる。


ドクッドクッ、伝わる心臓の音。


「よかった」


生きてる、愛人は生きてる。


そう実感させてくれる音だった。


「目が覚めるまで、手をつないでいてあげてください。私は先生の話を聞いてきますので」


軽く私に頭を下げると、一柳さんは静かに病室を出て行った。