けれど、これは一回きりじゃなかった。 『きゃぁぁ神谷せんせっ』 『番号教えてくださいよぉ』 女生徒に囲まれていたのに、前みたいに助けを求めてこない。 あたしの方をチラリと見て、一瞬視線を合わすだけ。 後は、授業中にも特別当てられないし。 友達の付き添いで保健室に言っても、声も掛けてこない。 なんでだ…!? あんだけ警戒してたあたしが、変みたい。 本当に冗談? それとももう忘れてるのかっ? 「倉橋さん」 ふいに名前を呼ばれて、我に返る。 しまった、今は授業の真っ最中だった…。