英二がスコアを開きながら指揮棒を持ってさっき指摘された部分のおさらいを始めた。


その指摘内容には僕が旋律を演奏する部分も含まれている。


英二は音楽家を目指すと豪語するだけの事は有る。


先生の指摘を全て記憶していた。


普通の「ノリ」だけが良いお兄ちゃんとは違って実力も伴った自信を持っている。


皆を集めて練習する様なリーダーシップを発揮出来る事も買われて彼は部長になったんだ。


偉いよ英二…それに比べて僕はいったいどうなんだろうか?


目標…うん、明確な物は何も浮かばない。あだ漠然と、音楽とは関り合いの有る事がしたいとは思う。