「聞いた、英二君と最近ばったり会って、保孝に彼女が出来たから、もし何か相談されたら、話に乗ってやってくれって」


え、えいじぃ…そんな事、お姉ちゃんに言わなくても…。


僕は新手の嫌がらせかと思う位、どーんと落ち込んでしまった。


そして、なんとか立ち直ると、お姉ちゃんの誤解を解こうとずいっと身を乗り出した。


「お姉ちゃん、違うんだよ、その話、英二の一方的な勘違いなんだよ」


僕はひそひそと、お姉ちゃんの耳元で囁いてみたが、その効果は全く無いに等しい状態の様だった。


「火の無い処に煙が立つか?あんた、そんな噂が立つ様な事、やったんでしょ、素直に言いなさい」


お姉ちゃんは、まるで僕が何か悪い事でもした様な言い様だった。僕は何も悪い事なんかしてないし、後ろ指刺される様な事もした覚えがない。


「な、なんにもないよ…」