「――あ、え、英二ぃ」


僕は英二に、恐る恐る声をかけた。


「は、は、、そおいう事ですか…」


英二の表情がみるみる崩れて行く。そして彼は、ゆっくりと教室の扉を閉めた。


なっちゃんがきょとんとした表情で僕の方に振り向く。僕は黙ったままうなだれる。


「英二君、どうしたのかな?」


おそらく、心に、立ち直れない程の傷を負ったんだと思います。


明日、英二になんて言い訳しよう…まがりなりにも、英二は僕に、なっちゃんの事が好きだって打ち明けてくれていた。


そして、なっちゃんが『僕みたいな人が好き』という情報までくれたのに。


心が痛む、英二を裏切ってしまった様な気がして…。


僕は大事な友人を一人失ったのかも知れない。

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