遠目の子鬼

僕は自分で自分に心の中で大声を出し、何とか自分を取り戻す事が出来た。


「これで、この事は保孝君と私の秘密ね」


そう言うと同時に周の光景が大草原から、何時もの教室の光景に変わった。


なっちゃんは再びそれを珍しそうに見まわして「じゃぁまた」と言い残して教室から出て行った。


小指になっちゃんの温もりが残る。僕はその小指をじっと眺めた。頭の中が、真っ白だ。


「大丈夫か保孝」


と言う又兵衛に「うん」と一言答えるのが精一杯だった。

         ★

自宅のリビングで僕はお姉ちゃんと一緒にテレビを見て居た。


なっちゃんのとの事が気に成って内容が記憶に残らず画面をなんとなく眺めて居ると言う感じだった。


もっとも、内容を覚えておかなければならない程、重大な内容の番組では無かったけれど。