ヘタレ船長と二人の女海賊

こんなラッキーな事があっていいもんだろうか。

俺は夢見心地で酒を飲む。

…が、こういう時には大抵邪魔者が首を突っ込んでくるってもんだ。

「随分と見せ付けてくれるじゃねぇか」

一人の髭面の男が、こっちに近づいてきた。

顔中黒い髭に覆われ、でっぷりと太った腹がシャツの裾からはみ出している。

まるでグリズリーだ。

「なぁ女、そんなヘタレの『キャラコ・ジャック』にばかりサービスしねぇで、俺の方にも酌しろよ。お前とならいい酒が飲めそうだぜ」