「青空久しぶり。」
しわのよった顔はほっとしたような顔をしていた。
「っ!!!!!」
青空が急に枕をその人に向かって投げつけた。
「帰って!!!」
お母さんなのだとはなんとなくわかった。
だけど青空はその人を病室から追いやった。
青空があの人に虐待をうけていたのは知っていた。
でも、あの態度は無いと思う。
親に対して失礼だ。
「青空・・お母さんなんだろ?」
「あんなの母親でもない。」
「でも・・・!」
「でももなんでもない、あんなのタダの他人だよ!・・・お母さんなんかじゃ・・・。」
思い描く
私は思い描く。
お父さんがこたつに入って新聞を難しそうな顔をして読んでて、お母さんはカッカッって包丁の音を鳴らしながらご飯を作る。
私とお兄ちゃんは庭で虫取りをしてどろんこになる。
それをお父さんとお母さんは笑ってみてる。
私の一番の幸福。
でもそんなの二度とかなわない。
「あんたさえいなけりゃ!!!!!!」
その言葉を何度聞いたことか。
何度も何度も存在を否定され、何度も何度もあざを作った。
少しは希望もあった。
だけど、そんなのほんの少しで希望って呼べるモノなんかじゃない。