忘れたくない

そう思っていたことは事実で、

あの笑顔もあの涙も全部事実で、

私の記憶が消えかけていることも事実で

私の命があと少しだって事も事実で。

目が覚めたら多分もう太陽たちの事を忘れている怖さがあって。

いつもいつも朝が来るまで目を開けていた。

あの日あの手紙を読むまで私は太陽が全てだった。

あの手紙が私を動かせた。

あの手紙が私の記憶を失わせた。

あの手紙が・・・。

母からの手紙が・・・。