「あなたたちよくやったわね。」
消毒液のにおいが充満した保健室。
包帯だらけ、絆創膏だらけの私と先輩は先生にコッテリ怒られた。
「北涌さんも、先輩に喧嘩売るなんてやるじゃない!」
そんな時、保健室の扉が開いて太陽と陸先輩が入ってきた。
七海先輩は逃げ出した。
陸先輩は後を追っていった。
「青空。大丈夫か?」
「うん。太陽がいるから大丈夫。」
「七海!!!!七海!待ってくだサイ!!!」
「待たない!!!!待ちません!!!絶対に!!!」
夕暮れの校舎はまぶしかった。
追いつかれるに決まってるけど逃げるしかできなかった。
「七海!!!!」
手をつかまれ、もう無理だと悟った。
「離し・・・・!!!!!!!」
先輩は強引に私を腕の中に入れ、キスをした。
一年ぶりだった。
抱きしめられるのも、キスするのも。
「陸・・・・行かないでよ。」
言えた。
「行かない。七海がそう言うならいかない。」
先輩ははじめて敬語を使わず、また強く抱きしめてくれた。
「大丈夫なの?」
「俺を舐めるなよ?」
はじめて、先輩が俺って言った。
先輩は礼儀正しいから敬語とかしか使わない。
でも、その先輩がはじめて俺って言った。
「舐められてるの私の方でしょ?」
確かに・・言ってから気づいたけど先輩は地味に私の頬を舐めていた。
「・・・どうかな?さっ!!!!!!!帰りマショウ!!!」


