硝子玉

「なぁ、青空言っていいのかわからんけど一応いっとく。」

「何ぃ?」

「俺一回七海先輩に告られたことある。」

「それが?」

怒るかと思った。

「でさ、先輩なぁ陸先輩と昔付き合ってたんだと。」

「今は?」

「険悪?倦怠期っていうのか?なんかいろいろあって別れてはいない見たいだけど・・・。」

(陸先輩がなんかイギリスに帰るらしくて、それで倦怠期入ったみたいだ。まぁ俺たちには関係ないけど・・・)

私は走った。

納得がいかない。

だからって太陽に告白するなんて!

好きな人がいるのに、好きでもない人に告白するなんて!!!!!!

二年の教室の扉を思いっきり開けた。

驚いたようにクラスの全員が私を見た。

「青空ちゃん・・・教えてあげようか?」

席に座っていた七海先輩が近づいてきた。

「知ってても知らないふりをしていた方がイイこともあるんだよ・・」

先輩は辛そうな顔をした。

「それが先輩の憂鬱ですか?」

「そう・・・かもね・・・。」

私の手は気がつくと先輩の頬を思いっきりたたいていた。