でもね、そんな幸せ長くは続かなかった。
写真部には特有の伝統?みたいなのがあって、写真のモデルになったらもう付き合ってる
のと同じ事だった。
その通り、私も先輩のモデルになってた。
だけどね、あの日、あの日だけ先輩違ったの。
私を一度も撮らなかった。
カメラすら手に持たなかった。
先輩辛い顔して私の手をそっと握った。
もう、終わりかって思った。
なんとなくそう思ったから。
先輩は残酷だ。
だって別れるよりも酷いことするんだ。
「僕、高校を卒業したらイギリスに帰ることになりマシタ。」
残酷だよ。
どうして、「別れよう」だけじゃないの?
それから私は先輩と別れもせず、ずっと避け続けた。
怖かったから。
これ以上近づいて傷つくのが。
だけど・・・私まだ先輩が好き。


