陸先輩はもう私を見てないんだ。

そう実感したのは太陽達が入学してくる半年前。

私は一年で、先輩は二年だった。

写真に全く興味はなかったけど絶対に部活に入らないと行けないと言う学校の規則があっ

たから適当に選んで入った。

入ったっていってもほとんど幽霊部員で影が薄かった。

いつだって部活を休んでも誰も何も言わなかった。

だけどね、陸先輩だけが私にちゃんと言ってくれた。

「君、成績不認定だったんだってネ?部活ぐらいちゃんとキナよ。」

毎日毎日、教室まで押しかけてきて。

だから私頑張って部活に行って勉強も頑張った。

先輩に追いつきたかったから。

でもいつも先輩の隣には彼女がいて、私は先輩の隣に立つ資格もないんだっておもってた。

本当にそう思ったのは先輩が泣きながら彼女にすがりついてたのを見て。

ああ、私は先輩の一番じゃない。

でもいつか一番になれるかもって頑張ってた。

だからあのとき私は飛び跳ねるくらい嬉しかった。

先輩は結構イケメンでモテてたからバレンタインもチョコをいっぱい貰ってた。

最後の最後に私は先輩にチョコを渡したんだ。

「好きです」ってちゃんと伝えて。

そしたら先輩持ってたチョコ全部落として私のチョコを抱きしめてくれた。

涙があふれ出て一瞬で私先輩の胸に飛び込んだ。

なにより嬉しかった。

やっと一番になれたんだって、本当に嬉しかった。