「あなたは…――

 自分の心を見たことが あるだろうか?」


ほとんどの人間が
「いいえ」と答えるだろう。


では…、

「心の中にある
 闇の存在を
 意識したことが
 あるだろうか?」

闇…それは、
常にすぐ傍に在り、付き纏う存在。

人は誰しもその存在を否定し、気づかないフリをしている。

綺麗ではないモノを、隠そうとする。
綺麗な人間だと、他人に見せたいのだから。

闇は確かにそこに在るのに。どんな人間でも、必ず持っているのに。

気づこうとしなければ、気づけない。


闇は時に毒性を伴う。

それは身体中をめぐり、

身体の一部ずつを殺していく。


そして、最後には自己を見失ってしまう……