「あ、あの先輩?」

「ん?」

「どこ行くんですか?」

「んー、デートだよ」

「……はっ?」



デート…

デート!?


「駄目かな?僕とデート」

「え、駄目ではないですけど…」

「そ?なら良かった」


笑顔の先輩は再びあたしを連れて歩き出した


手はまだ繋がれたまま


「あのっ…」

「ん?」

「手…」

「手?どうかした?」



ふ、普通なの?この人は簡単に手繋ぐわけ?


「何で繋がれたままなのかなぁと…」


「何で?」



え!?
あたしが何で?なんだけど



「クス、可愛いね」

「はいぃ!?///」



駄目だ、安藤先輩と居ると調子が狂う



「デートなんだから、ね」

「いや、えっと」

「照れられて嬉しいな」



…///



笑顔が眩しいよぉ




そんな先輩とバスに乗って、辿り着いたのはこの街の中心街で


そういえば、こっちに来てからゆっくりと見てなかったなぁ


服のお店とか雑貨屋さんとかリサーチしとこうかな

あ、美味しいお店も!


そして今度亜希と遊びに来よっ




「クスクス、楽しそうだね」

「へ?」



隣から放たれた言葉にあたしはキョトンとした



「女の子って感じ」

「…女の子ですけど」

「やっぱ可愛い」



実はタラシですか?そんな笑顔でそんな言葉を言われたら、世の中の女の子はイチコロだわ



「色んなお店あるから見て歩こっか。あまり分かんないでしょ」

「はい…まぁ」



そしてあたしの好きそうなお店を求め歩き出した



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