「すいません。ちょっとどいてくださるかしら?」


その声はまさしくイオでした。
どうやら職員室での用事が終わったらしく、戻って来てくれたようです。

そして半泣きの私を見て驚きの表情を浮かべました。


「マコ・・・一体どうしたの?」


イオは王子様とご友人を睨みつけて言いました。


「何をなさったのですか?内容によっては先生をお呼びしますわよ?」

「イオ、聞いて!酷いのよ!私のこと中等部の生徒だって馬鹿にするの!」


私が涙ながらに訴えるとイオはけろっとして


「あら、その程度のこと。」


などと言うのです。


「その程度だなんて・・・。私もの凄くショックでしたのよ!」

「マコの身長と童顔じゃ無理も無いわよ。
それに中等部の生徒と間違われるのだって、これが初めてじゃ無いでしょう?」


そうですけれど・・・。

私が腑に落ちない様子でイオを見ていると、王子様が突然笑い出しました。


「あははっ!もう駄目だ!可笑しくて我慢できない!」


面白いことなど何もしていないのに、王子様は私とイオのやりとりを聞いてクスクスと笑っています。

なんだかすごく恥ずかしい・・・。
おそらく私の顔は今ものすごく真っ赤なのではないでしょうか?