あたしは男の人が苦手だ。 というか、人が苦手だ。 自分の病に対する好奇の目や 見掛けだけで近づいてきて 病のことを知って離れる男。 こきおろしに利用する女。 気をつかって遠巻きに見ている 大人。何も知らないこどもたち。 嫌いだ。 目の前にいるこの人が、 それらの人間と違うという 保証はない。 でも。 何か、違う気がした。 この人は、なにか。 気がつけばあたしは、 「何がいいですか?」と聞いていた。