雨に濡れた全身を 心地よい潮風が冷やしてゆく。 隣には、あたしの、 尊敬と信頼と友愛と そしてたぶん憧憬の対象である 美しい少年が、いる。 いつか役に立たなくなる この不良品の両目よ 今、焼き付けて この、ずぶ濡れで眩しい世界を 美しい、世界を ―――…