「…あ、そ」

苦笑混じりの声。

「じゃ、好きな人に花つけられて、見合いするのってどうなわけ?」

「それは…」

「……」

「私の片思いだから…」

涙がとまらないままに、つぶやくと。

優しく涙を拭ってくれる彼の指。

「片思いかどうか、彼に聞いてみたら?」

「…え?彼?」

体ごと、後ろを向かされると、エレベーターから降りてこっちに向かって来る…。

「拓真…」