気付けば溺愛

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「はじめまして」

何事もなかったかのように挨拶する私。

拓真に

「勝手にしろ」

という言葉とともに置き去りにされた後、悲しさや戸惑い、後悔。全ての感情を排除してお見合いの席に座っている。

目の前には30歳の男前。紺のスーツに身を包んだ弁護士らしい。
どちらかというと弁護士というよりホスト?のような見た目に笑いそうになる。

無理矢理この場をセッティングした叔母さんは既に挨拶だけして帰って行った。

お見合いって、このあとどうしたらいいんだろ。