シオは、私の両手首を片手で掴み、私の頭上に押さえつけた。 「那智。俺、男だってこと、覚えてた?」 びくともしない。 私は両手で、シオは片手。 なんで力負けしちゃうの!? 「離しなさいよ〜」 「やっぱり忘れてたんだ。じゃぁさ、体に叩きこんでやろうか?」 「何言って……」 「体で覚えたことは、一生、忘れねぇんだよ?自転車の乗り方を忘れないみたいにね」 シオがニヤリと笑った。 天使が悪魔に堕ちた所を 目撃したような気になった。