「……っ!!」


その時目が覚めた。

めざましがうるさく鳴っている。


「夢…?」


体が汗で濡れている。

僕にとってあれほど怖い夢はないだろう…

そう思いながら制服に着替えた。


「秀ちゃん、おはよう」


リビングに行くと朝食が用意されていた。

母さんがニッコリと笑って出迎える。


「おはよう、父さんは?」

「もう医局に行ったわ」


静かに朝食を食べ、必要以上の会話はしない。


「いってきます」


こうやって毎朝時間通りに家を出るのだ。