ベランダから見える"街"は温かかった。 様々な家が整列する筋。いくつもの筋が、時折2車線の道路を織り込みながら"街"という反物を作っている。 反物には桜並木や川によって模様が入っていて、それらの模様は、春の空気のせいか、染め物風に少しぼやけていた。 川の向こうには新しいと思われる団地、団地の向こうは山が連なっていて、太陽は今山の端を目指していた。 鼻に入る空気の味が違う。 自分の町とは違う。 だけどおいしい。好きだ。