『チャロ‥、セレスの事以外に何か隠しておらんか?』
『‥セレスのきずのいやしかた、あのヒトにおしえてもらったの』
『あのヒト?』
『きのうこのまちをおそった、あのおんなのヒト』
『‥!?』
『とりひき、だって。まちはずれで、あのヒトにあったの』
“あの男の子、どうなったの?”
“かんけい、ないでしょ?”
“あのままでは、あの子は死ぬわ”
“‥ッ!!”
“教えてあげようか?あの子が死なずに済む方法”
“あるの!?”
“‥教えてあげる代わりに、貴方にお願いがあるわ”
『そのお願いは?』
『だれにも、おしえちゃダメって‥。いったら、セレスがころされちゃう』
『‥そのお願いを、聞いたのか?』
『きいた。じゃないと、セレスがしんじゃうもん』
その次の日、セレス、お前は戻ってきた。
2日前に腹に負った筈の傷は何処にも無く、
チャロは何処にいるかとお前に何度問いかけても
『チャロって、だれ?』
と、帰ってくる返事はそればかり。
だからお前は記憶まで無くしたんだと。
「そして、チャロは姿を消した」
「‥それって、チャロはあの女から治癒能力の分け方を教えてもらう代わりに」
あの女の戦力になったという事か?
「おそらくそうじゃろう」
「あの女、この前チャロを操った上で此処を襲撃してきたんだ」
「‥あの女の狙いはなんじゃ?」
「俺、か?」
「じゃが、10年前城を襲撃したのはそうじゃないじゃろう」
「だよな‥」
ピピピッと机の上の通信機が鳴った。
爺さんはそれを手に取ると、罰の悪そうな顔。
「すまんの、今から会議じゃった」
「何の?」
「チャロのことでな‥」
開いていた本にしおりを挟んで、パタリと閉じる。
それを適当に本の上に積み重ねると立ち上がった。
何も心配するな、と頭を撫でて出て行く爺さんの後ろ姿。
‥爺さんが知っている事は、このくらいか?
それでもまぁ、分かったことが増えたけど
まだまだ分からない事の方が多いだろう。
やっぱ一番いいのは、チャロに訊いてみる事だ。

