「アレ、飲みたいなぁ!佐倉さん」



たかちゃんが甘えたような声で佐倉さんに声をかけた。




「アレって何?」



千佳が聞くと、たかちゃんが自慢げに答えた。



「佐倉さん、カクテル作るのうまいんだよ!」




照れくさそうな表情もまたかっこいい。


佐倉さんは、そうでもないよと言いながら、右手を顔の前で揺らした。




「佐倉さんって、めちゃくちゃお酒強そうだろ?日本酒とか飲みそうなイメージなんだけど、実は甘いカクテルしか飲めない!!」



「うるせーよ」



佐倉さんは、俊吾の頭を軽く叩いた。




「佐倉さんと言えば……」



大介がそう言って、俊吾とたかちゃんの顔を交互に見た。



「カシスオレンジ!!」



3人は声を揃えて言った。




「悪いか!!」



佐倉さんは、立ち上がる時に、また俊吾の頭をバシっと叩いた。




「カシスオレンジ、4つでいいか?」



佐倉さんは食堂へカシスオレンジを作りに行った。