休憩所は、じめじめした雨の匂いが立ちこめていた。 ひとつしかないベンチにアイツが腰掛ける。 「座れよ。」 あたしはコクンと頷き、アイツの隣にゆっくりと座る。 「先輩、びしょぬれ。」 あたしは、ポケットからハンカチを取り出した。 いつもは無造作にセットされている髪も、雨にぬれて真っ直ぐになっていた。 あたしは、そっと自分のハンカチをアイツの頭に持っていき、優しくなでた。