「ここだと思った。ほらっ!」 アイツはあたしのかばんを渡してくれた。 「あっ、ありがとうございます。 」 「ったく、おっちょこちょいなやつだな。」 「ごめんなさい。 どうしてあたし、こんなに泣き虫なんでしょうね。 こんなに泣き虫じゃなかったら、あたし、こんなに好きじゃなかっ、」 気付いたら、唇が触れていた。 あたしは、目を見開いたままだ。